看護師から保健師にキャリアチェンジ!
看護師から保健師にキャリアチェンジ!
基礎知識として健診の種類や対象者について知りましょう。まず、健診には大きく分けて「一般健診」と「特殊健診」があります。
一般健診は職種に関係なく実施するもので、すべての企業が対象です。雇い入れ時の健診や1年ごとに行う定期健診、海外に派遣する労働者を対象にしたもの、給食従業員の検便などが含まれますよ。皆さんにとってなじみ深いのは、雇い入れ時の健診と定期健診ではないでしょうか?
雇い入れ時に行う検診の対象者となるのは「常時使用する労働者」です。これは、「1年以上使用する予定で、かつ週の労働時間が正社員の4分の3以上であること」が条件です。なので、正社員だけでなくパートやアルバイトも該当する場合がありますよ。条件を満たさなかった場合でも、努力義務として「週の労働時間が正社員の2分の1以上」の労働者も対象に含まれます。実施するタイミングは雇い入れの直前、または直後です。入社前に健診を行う場合もありますよ。なお、入社3ヵ月前以内に医師による健診を受けていた場合、雇い入れ時の健診をスキップすることもできます。その際は、提出する診断書の内容が必須の検査項目をすべてクリアしていなければなりません。
定期健診も「常時使用する労働者」が対象となります。ただし、特定業務に就く者に対しては「特殊業務従事者の健診」が適用されますよ。実施するタイミングは1年以内ごとに1回です。
雇い入れ時の健診で行う検査項目は「既往歴および業務歴の調査」「自覚症状および他覚症状の有無の検査」「身長、体重、腹囲、視力および聴力の検査」「胸部X線検査」「貧血検査」「肝機能検査」「血中脂質検査」「血糖検査」「尿検査」「心電図検査」です。
定期健診で行う検査項目は「既往歴及び業務歴の調査」「自覚症状および他覚症状の有無の検査」「身長、体重、腹囲、視力および聴力の検査」「胸部X線検査および喀痰検査」「血圧の測定」「貧血検査」「肝機能検査」「血中脂質検査」「血糖検査」「尿検査」「心電図検査」です。
どちらも似たような内容ですが、定期健診に関しては項目によって年齢や医師の判断による省略が可能となっています。
特殊健診とは、健康に害をおよぼすリスクが高い有害業務に従事する労働者が受けられる健診です。具体的には「高気圧業務」「放射線業務」「特定化学物質業務」「石綿業務」「鉛業務」「四アルキル鉛業務」「有機溶剤業務」などが挙げられますよ。これらは労働安全衛生法で定められています。
看護師の仕事は勤務が不規則で体力的に厳しいですよね?日勤のみで、かつ負担の少ない環境で働きたいと思っている人も多いはずです。そこでおすすめなのが保健師。健診センターの仕事は拘束時間が短く、休みの日も決まっているので働きやすいですよ。
健診センターで働く保健師は看護師としての仕事も兼務します。そのため、看護師として働いた経験がある人はこれまでに培ったスキルを活かせますね。もちろん保健師としての役割も担いますので、どういった業務をするのか事前に確認しておきましょう。
看護師と保健師は取得している資格が違います。看護師は看護師資格のみでOKですが、保健師になるには看護師資格に加えて保健師資格も取得しなければなりません。すでに看護師として働いている人でも、保健師養成所や短大で学べばキャリアチェンジが可能ですよ。